本セミナーは、介護業界で注目されている保険外サービスについての解説と、同分野で取組みをおこなう企業の事例紹介を通し、介護業界における保険外サービスの導入取組みが促進されることを目的として開催いたしました。

 まずは、厚生労働省 老健局 振興課 課長補佐 加藤康平 氏より「地域包括ケアシステム構築と公的保険外サービスの活用推進策」と題し、ご講演いただきました。国が推進する地域包括ケアシステムと介護保険制度の改正について解説いただきました。生活支援・介護予防サービスの充実と高齢者の社会参加の必要性など、現在の介護保険の状況を分かりやすく解説いただきました。また、介護分野における公的保険外サービスについて国が推進する取組みやその背景、具体的な取組み事例など紹介いただきました。

 次に、クックデリ株式会社 代表取締役社長 遠藤保仁 氏より「保険外サービスとしての“食”の活用方」についてご講演いただく。介護施設、事業所向け調理済み食材お届けサービスを手がけるクックデリ株式会社の取組み概要について解説いただく。保険外サービスとしての介護施設、事業所内で在宅向け調理済み食材販売や介護事業者様向け、食事サービスの紹介販売事業などの活用方法及びや具体的な事例について紹介いただきました。同社が提供するサービスは、介護施設の人材定着率・稼働率の低下、人件費率などの介護業界の問題解決につながるすばらしい取組みです。

 次に阪神電気鉄道株式会社 新規事業推進室 石村 康二郎 氏より、「阪神電鉄が考える介護予防事業と次の一手」 と題し講演いただく。鉄道会社としてなぜ介護事業に取り組むのか。その背景と「高齢者にやさしい街づくり」を目指して同社が沿線に展開しているリハビリ特化型デイサービス「はんしんいきいきデイサービス」について紹介いただく。また、今後、介護保険制度改正を迎えるなかで、同社が公的保険外サービスの一つとして手がけるレクリエーションを通じて地域交流の機会を創出する「はんしんいきいきレクカフェ」についてもお話しいただきました。

 最後に、BCC株式会社スマイル・プラスカンパニー 代表取締役社長伊藤より「地域包括ケアシステム構築の取組事例とレクリエーション介護士の役割 ~介護現場で求められる、レクリエーション介護士の活躍事例 ~ 」と題し、講演をおこなう。わずか2年間で資格取得者が1万人を超えた、注目の資格制度「レクリエーション介護士」をはじめとした取組みの紹介と、同社が進める保険外サービスの事例について話しいたしました。

 介護保険外サービスはまさにその取組みが始まったばかりです。そのような中、国による解説や取組み企業の事例紹介をすることで、今後、介護分野で保険外サービスの活用が促進されることにつながっていくことを期待しております。今後も同様に介護分野の課題解決につながる情報提供を積極的におこなってまいります。